藤枝村とは
静岡県中部の山間にかつて■■村という村が存在しました。人口減少と過疎化によって2007年に廃村となったその村を、有志の手により整備し、2018年より観光施設《藤枝村》として一般の方に公開しています。
特徴
《藤枝村》は、無人となった廃村を、可能な限りそのままの姿で公開しています。
一般的に廃墟や廃村を訪れる際は、未整備の山道を歩いたり、いつ倒壊するかわからない建物に接近したりするため、危険が伴います。また、原則的に土地、建物所有者から事前に許可が必要となりますので、十分な下調べや装備が必要になります。
ですが《藤枝村》では、敷地内の土地、建物を、全て施設運営者が管理しており、道路や橋は定期的に整備し、建物は倒壊の恐れがないか常にチェックしています。
最低限の装備(ヘルメット、長靴、軍手)さえあれば、敷地内は自由に見て回ることができ、申請すれば一部の建物内を探索することもできます。
施設内マナーについて
本施設は無人の廃村ですが、その公開の意義は、かつてこの場所で、確かに人の営みがあったこと、それが今は失われてしまったという事実を伝えることにあると考えています。
そのため、故意に建物を破損させたり、建物内から物を持ち出すような行為は、かつてその場所に暮らした人たちへの敬意を欠く行為であり、一切禁止しています。
最後に
少子高齢化、人口減少がすすむ昨今、このような無人の集落は、日本国内で増え続ける傾向にあります。
2014年の国土交通政策研究所の調査によれば、2040年には全国で896の市区町村が「消滅可能性都市」に該当すると推計されています。これは全国1799ある市区町村の半分強にあたります。
本施設は、多くの方にその現実を見ていただきたいと思い、設立しました。ですが、いずれこのような廃村はどこにでもある当たり前の光景となり、特別珍しいものではなくなってしまうかもしれません。
消えゆくこの国の里山の風景を、どうか覚えておいてください。
2018年 有志一同